UC Irvine ブロガー・アンケート結果公開
甚だ微力ながら、昨年(2004年)8月の拙稿でもアンケートへのご協力をお願いした、ブロガー意識調査 [UCI] Blog Survey の結果が公開されている。同調査を行なった米国 University of California, Irvine 校の大学院生 Norman Makoto Su さんから、本日(6月3日)メールでお知らせいただいた。拙稿を通じて時間を割いて同アンケートにご回答いただいた方々がもしいらしたら、私自身は単なる紹介者に過ぎませんでしたが、御礼申し上げます。ありがとうございました。
結果は以下のとおり、2本の学術論文としてまとめられている。各々、学会/コンファレンスでの発表も行なわれたようだ。いずれも pdf ファイル、英文で、Su さんを筆頭著者に、5人の連名名義:(ご注意:パーレンで括った和訳は、論文標題の非公認(unsolicited)拙訳です)
A Bosom Buddy Afar Brings a Distant Land Near: Are Bloggers a Global Community? 全20頁
(「遠くの親友が見知らぬ場所を身近に:ブロガーはグローバルなコミュニティを形成しているか」)Politics as Usual in the Blogosphere 全15頁
(「ウェブログ界における政治ネタ」)
各篇の梗概は、Su さんのこの調査プロジェクト関連のウェブログ Prospecting the Blogosphere、2005年6月2日付の最新記事「Blog Survey Findings」でも抜粋、紹介されている。
早速拝読したところ、アンケートは1400強の回答を集めた由(日本からは1割強を占める約150の回答があったようだ)。このうちの有効回答1232について、
ウェブログが及ぼす実社会への影響の度合い(activism)
読者による評価をブロガーはどの程度気にかけているか(reputation)
ウェブログを通じて形成されるコミュニティ(social connectedness)
ブロガーの実名・筆名・匿名(identity)
という4つの評価基準を立て、ブロガーの国籍(論文1)・ウェブログの主な内容(論文2)に基づいて分類比較して、統計的に有意な特徴が現れるかを分析している。
私は無論、こうした論文を適切に評価する能力を欠いているが、それでも
論文1の結論で論じられる、東南アジア・大陸中国と台湾・日本のブロガーに見られる地域/民族/社会固有とみなしうる特異性。たとえば、日本ではブロガーは個人情報をウェブログ上で公開することを避ける傾向が強い……等々
論文2で統計処理を通じて浮かび上がった、政治がらみの記事を書くブロガーがもつ、それ以外の(論文では「個人的/趣味に関する(personal/hobby)」と形容されている)ウェブログ著者とは顕著に異なる姿。たとえば、比較的高い平均年齢、読者を陽に意識した執筆、現実/実社会への働きかけの手段としてウェブログを認識している割合が高い……等々
などの分析結果は、たいへん興味深く読めた。
実は、上掲拙稿を書いて以降、予定の期日を過ぎてもこの調査プロジェクトのウェブサイト・ウェブログともにずっと変化がなく、ご紹介した以上このまま何の結果も出ないのはどうも……などと(誠に失礼ながら)やや心細く思っていた。当初から大学院での演習課題であるとは伺っていたが、こういう形で公式に調査・分析結果がまとめられるとは、少なくとも私は予期しておらず、いささか驚いた。調査の結実をお祝い申し上げるとともに、結果公開をわざわざお知らせいただいた Su さんに感謝している。