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"Friday Rock Show" の Tommy Vance も逝く

英国 BBC Radio 1 で1970年代末から90年代初めにかけて、毎週金曜22時から2時間の音楽番組 "Friday Rock Show" をもっていたディスク・ジョッキー、Tommy Vance が昨日3月6日に亡くなった。享年63歳。昨年(2004年)10月に65歳で同じく急逝した John Peel(関連拙稿12)よりもさらに若い。

(故人を貶める意図なく)客観的にみて、ユニークで幅広い音楽的嗜好を誇り、夥しい Peel sessions 音源の放送や音盤化を通じて世界的に知られた John と並べると、Tommy Vance の英国外での知名度は比較にならないかもしれない。私自身も、彼の "Friday Rock Show" での Roger Waters 独占インタヴュウ(以前別稿でふれた)を聞く機会を得られなかったなら、おそらく憶えていなかっただろう。この "Friday..." という番組自体には、別稿で書いたとおり私自身はさほど強い印象を受けなかった。しかし、ラジカセにかじりつくようにして耳を傾けた Roger へのインタヴュウでの Tommy Vance の低音で苦味ばしった声は、今でも記憶に灼きついている。そしてこのインタヴュウで、陰鬱に訥々と語る Roger から、彼は実に巧みにアルバムの核心を衝くモチーフを聞き出していた。

訃報をみると、彼の声質は "gravelly voice"(「砂利 (gravel) のような」、転じて「ざらついた」声)と形容されていたそうだ。彼のマネジメント事務所(?)のウェブサイトにある紹介によれば「特徴的な声を保つために“砂利でうがいをしている”という噂を、本人は強く否定している」とある。その独特の渋い声を生かして、テレビ・ラジオのCM などで吹き替え(voice over)やナレイションを無数に担当していた由。

一方で彼も John Peel 同様にラジオに深く関わっていた。John の経歴と相当重なるのを今回初めて知ってかなり驚いたが、Tommy もまた米国でラジオ局ディスク・ジョッキーとしてのキャリアをスタートさせ、その後母国に戻り海賊局の Radio Caroline、同じく海賊局で John もディスク・ジョッキーをしていた Radio London、さらに英国の対岸よりかなり内陸に入ったルクセンブルクの送信所から大出力で英語放送をしていた民放局 Radio Luxemburg(ほとんどの番組は在ロンドンの同局スタジオで制作されていたらしい。参考:Wikipedia 英語版「Radio Luxemburg」の項)などで番組を持った。1978年に始まった "Friday Rock Show" は15年間続いたとのこと。有名人へのインタヴュウは同氏の得意分野だったようで、キャリアを通じて「チャールズ皇太子から Rolling Stones まで」(下記 BBC 死亡記事)1万人以上を数えるそうだ。

また一人、イギリスのポップス/ロックが最も豊穣だった一時代を直に知る人がいなくなってしまった。御冥福を祈ります。

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  • 急逝を伝える BBC の死亡記事。本稿執筆時点で、英国発行の新聞社ウェブサイトの訃報はこの記事とほとんど同内容。

  • 以下、ウェブ上で見つかる Tommy Vance 略歴その他のリソースをいくつか:

    • Metafilter の関連記事「RIP Tommy Vance」経由で、BBC Radio 1 の“非公式歴史記録”サイト Radio Rewind 内、「Tommy Vance」。ページ下方にはオーディオ・クリップ15本ほどへのリンクがあり、彼の "gravelly voice" を聞くことができる。

    • (主に英米両国の?)ラジオ業界人名鑑 440: Satisfaction 内、故人の在籍局履歴。また同サイト所掲、リスナーだった人から寄せられた、同氏の英国での仕事の一端を伝える手紙

    • 放送・音響技術者集団の会社になってしまった(?)らしい元海賊局 Radio London の現公式サイト内、「The Radio Caroline 60s Scrapbook」では、この時代の Tommy Vance へのインタヴュウを含む新聞記事や写真、Radio Caroline の様子を窺える写真など多数。

    • 同じく海賊局時代の Tommy の声を聞くことができる同氏履歴The Pirate Radio Hall of Fame 所掲。

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