スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
category: スポンサー広告 | permalink | - | - |

ネットで聴くローカル放送

ブラウザの古いブックマークに「Yahoo! Radio」(http://radio.yahoo.com、在りし日の姿は Internet Archive にて、2002年7月25日付のスナップ・ショットなどで見ることができる)が残っている。いや、どちらかというと感傷から残してある。いま同じURLを訪れると、自動的に「LAUNCHcast Home: LAUNCH - Music on Yahoo!」というページに飛ばされる。元の Yahoo! Radio は、私がインターネット配信による放送に惹かれるきっかけのひとつになったサイトだった。短時日で急激に変化するのが常態のネット上のこととはいえ、いつの間にか内容も見映えもまったく様変わりしてしまった新しいページを目にした時は、いささかがっかりした。

Yahoo! Radio のローカル放送ディレクトリ

Yahoo! Radio は、私が憶えているかぎりでは、ネット上/地上局を問わずストリーミングで番組を流している放送局と、それらのライヴ・ストリームへのポータルだった。局の公式ウェブサイトがあればそこにリンクが張られ、所在地や番組タイム・テーブル、局舎やスタジオの写真、スタッフの顔ぶれまで見にいくことができる。また、ストリームへのリンクをクリックすれば適宜プレイヤーかプラグイン(ただし、たしか Yahoo! へのログインが必要だった)が起動されて、手軽にちょっと聴いてみることもできた。

私が気に入っていたのは、このポータルが「Public [Radio?]」だったか「Community [Radio?]」だったか、そういうカテゴリを独立に立てていたところだ。このカテゴリには、せいぜい半径数十km程度の比較的狭い範囲を聴取ターゲットにしている(らしい、ほとんどは米国内の)コミュニティ・ラジオ局がリストアップされていた。音楽のストリーミングを選ぶにはほぼ SHOUTcast のディレクトリで事足りていた一方で、安楽椅子探偵ならぬ自室で居ながらにして旅行気分という、相当に能天気な企てに必要な情報は、そこではちょっと得にくい。Yahoo! Radio のこのカテゴリは、それを補うのに好適だった。

地元色の豊かな放送を楽しむ

元々、ラジオに夢中になっていた子供の頃から、各国/各地の地元放送局のローカル・ニュースや天気予報、民放なら地元のコマーシャルなどを、短波や中波で聴くのが好きだった。インドネシアやパプアニューギニアなどの広範に散らばった島々から成る国や、オーストラリアのように広い面積に人口が小さな単位で散在している国を除いて、リージョナル/ローカルな放送を短波を使って行なっているところは少ない。いきおい、中波を中心とした低い周波数での遠距離受信(DX[-ing])を狙うことになる。しかし、電波伝播は11年周期をもつと言われている(言われていた?)太陽黒点数(Sun Spot Number)の変動に大きく影響され、SSN が低い時期にならないと低い周波数は遠くへ届きにくい。七夕なら年に一度の邂逅、オリンピックなら4年に一度だが、約11年に一度となるとなかなか聴きたいときにちょっと聴く、というわけにはいかない。また、日本国内の中波放送はNHKも含めてほぼ完全に週7日24時間体制なので、海外を狙わずとも遠隔地の放送はより近くからの強力な電波にいつも潰されていることが多い。さらには、資源としての周波数の管理というようなことが言われ始めてから、狭い地域を対象にしたローカル放送はどんどん高い周波数帯域へ移されるのが世界的な趨勢になっている。そうなると、比較的長時間の安定した遠距離受信はそもそも原理的に不可能だ。

こんなことを書いていると、自分でも「なにもそこまでせずとも」と思わず苦笑いしてしまうのですが、道楽のたぐいは得てしてこんなものではないでしょうか? ……と開き直っておかないと、先に行けません(笑)。

こうした厄介さは、幸いにしてネット配信にはない。現状のインターネットは、或る意味で巨大な有線ネットワークだから、配信元のサーバが止まっていたり、経路のどこかで輻輳や障害が生じたりしていないかぎりは、ほぼ確実に聴くことができる。

米国のコミュニティ・ラジオ局(community radio)

Yahoo! Radio の上述のカテゴリからいろんなストリーミングをつまみ食い式に聴いているうちに、米国のどこかの小さな町にあるコミュニティ・ラジオに行き当たった。米国のコミュニティ・ラジオ局の多くは、予算や人員の制約から National Public Radio (NPR) の番組を単にリレイしていることが多いようだ。だから案外こちらが勝手に期待するほどローカル色の強い内容を放送しているわけではない。ただその時は本当に偶然に、地元色満点の「お知らせ(public announcement)」が流れた:

ABC遊水地のマス釣りが来週末X日のY時から解禁になります

メモしておけばよかったとちょっと後悔しているのですが、固有名はさすがに憶えていません。アメリカ北西部、ワシントン州あたりの本当に小さな町だったような気がします。漁が解禁になる魚の名前も記憶違いかもしれません。オンライン地図で確認すると、たしかに遊水地か小さな湖がありました。

たぶん30代くらいか、女性アナウンサーの声だった。いろんなコミュニティ・ラジオのサイトでスタッフの経歴を読んでみると、中央というか主流のメディアで活躍していたが「もっと地に足が着いた仕事がしたい」と、こうした小規模・地域密着の放送に“おりてくる”バリバリのプロフェッショナルもいるようだが、この時の女性アナにはそんな尖った感じはなかった。のんびりしたテンポで、妙に滑舌だけがよくて上滑りしたようなアナウンサー口調ではなく、本当に普通に、この一本のお知らせを数度くり返し、また通常のリレイしている番組へ。

このアナウンスの内容自体は、何ということもない文字通りの告知だ。しかし偶々をれを聴いたこちらの空想は、この一言をきっかけにどんどん膨らむ。ほとんど誰も人が訪れないような静かな遊水地ではないのだろうか。湖水の色はどんな感じか、清冽で透明なのか、深みを映して緑青色か。私は釣りをしないけれど、ハイキングがてら釣り人の邪魔にならないように湖畔をぶらぶらと歩きたい。パン食の国へ行くと弁当におにぎりというわけにいかないのがつらい。マスの塩焼き……。もう妄想と呼んでも構わないところまで突っ走る。

こうした告知ひとつを耳にして、地図でその町がどの辺りにあるのか確認したり、そこの天気や役場のウェブサイトを検索したり、ウェブカメラが近くにないか、その近辺の様子がわかる画像がないか探したり(私はしました(苦笑))、そしてこうして手許に集めた断片的な情報から、実際にそこに行ってみた気分に浸れる(耽ることができる?)方がいらっしゃいましたら、同志(笑)と呼ばせてください……。

〔04年5月20日追記〕若干文章に手を入れ、また新たに付け加えました。「続きを読む」以下の部分には大きな変更はありませんが、ディレクトリへのリンクをひとつ追加しました。大変失礼いたしました。

Yahoo! Radio の代わりに

Yahoo! Radio がなくなった後、仕方なしにいろいろ検索してみたところ、長期にわたって保守されていて信頼度が比較的高い、(コミュニティ・ラジオ局を含む)ローカル放送あるいはそのストリーミングについての定番ディレクトリがあるようだ。私自身は日本語と英語しかわからないため、また英語圏でもアメリカ以外はまだほとんど調べていないので、かなり限定的なものであることをあらかじめお詫びしたうえで、いくつか挙げておきます(北米以外の地域のローカル放送のネット配信についてご存じの方がおられましたら、ご教示いただければ幸甚です):

  • 米国の有名大学 MIT のカレッジ・ラジオ(学生が運営の主体になっている学園放送局)WMBRから派生した 「Radio-Locator」。このディレクトリ/検索エンジンは、合衆国・カナダの北米2カ国の地上局を主要な対象としていて、ストリーミングの有無はあくまで二次的な位置づけにとどまっている。しかし、トップページの「find Internet streaming radio(インターネット・ストリーミング放送を探す)」で「News, News/Talk, Talk, Variety」(コミュニティ局の番組にはほぼ確実にニュースやトーク番組が含まれているため)などを指定して絞り込むと、それなりに有益な検索結果が得られる。

  • 「WEB-RADIO: Listen Online!」。上掲サイトと同様に1万局をリストしていると謳っている。

  • “地元色”をお国柄にまで広げて解釈すれば、各国の国際放送もそれぞれに特色がある。長瀬博之さんの「世界のインターネット放送ガイド」には、40カ国くらいの世界各国のインターネット放送へのリンクがリストアップされている。

  • 同じく日本語で、日本各地発信のローカル色に富んだストリーミングを多数集めたディレクトリに「KEATONライブガイド」がある。

  • 米国のコミュニティ・ラジオ局へのASP企業、Public Interactive が主宰している、同社提携コミュニティ局のディレクトリ

  • 日本にもコミュニティ・ラジオはある(私の住んでいる町にもあります……案外楽しい番組を放送している)。「日本コミュニティ放送協会」から各地のコミュニティ局(FM)ウェブサイトへのリンクがあります。いくつか覗いてみたが、残念ながらネット経由での番組配信はしていないところがほとんどのようです。

  • 〔04年5月20日追記〕Vincent Lo さんによる英国のラジオ局ストリーミング・リスト「UK Radio Stations broadcasting on the Internet」。頻繁に保守・更新されている。

  • 最後に、Google.com の関連ディレクトリ「Arts > Radio > Resources > Guides」。ネット経由のストリーミング配信は、ラジオ放送や音楽、ウェブ(ライヴ)カメラなどどれも栄枯盛衰(と言っていいものか?)が激しい。このため、ディレクトリ/リンク集は丁寧に保守・更新されていないとすぐに古くなってしまう。こうしたディレクトリを作成・公開しておられる方々に感謝します。

「残念ながら」とたったいま書きましたが、実のところ、それは聴かせてもらう側である私個人の身勝手な感じ方に過ぎません。オンライン配信を行なっているコミュニティ局の多くは、それに要する回線使用料などの経費が運営上の重荷になっているようです。金銭的あるいはマン・パワーによる寄付を求める文言が、各局公式サイトのどこかに必ずといっていいほど記されています。

あくまで地域密着で当該コミュニティへの貢献を使命としているほとんどのローカル放送(とりわけ公的なコミュニティ放送)にとっては、電波を遠方で受信されるのは勝手御免としても、ネット上のリソースをサービス対象外の闖入者たる私に使われるのが迷惑であることは確実です。長時間にわたって聴き続けないなど、できるだけ配慮しているつもりですが、もし“同志”あるいはその予備軍が拙稿を読んでくださった方のなかにいらっしゃれば、僭越ながら私からも、くれぐれもご配慮をお願いします。

本稿を契機に、とくに音楽に関わる要素が少ない電波/ネット経由の放送に関わる話題は「radio」という新しいカテゴリに収めることにします。

これにともなって、以前の BBC World Service 名物パーソナリティの訃報に接して書いた拙稿も、新カテゴリに移しました。

結局またまた長くなってしまったので、最近ときどき楽しく聴いているローカル放送ストリーミングのご紹介などは、追々また別稿に。

category: radio | permalink | Comments(0) | Trackbacks(0) |
Comments
Care to comment?














About This Site

おもに音楽と読書にまつわる雑感を随時綴っています。

Table of Contents
Recent Entries
Recent Comments
Recent Trackbacks
Credits
  • Most of the photographic images carried here are from the superb collection of free stock photos, stock.xchng
  • CSS and HTML template edited using ComponentSoftware RCS, an excellent RCS suite.
  • Textual contents of this site licensed under a Creative Commons License (by-nc-sa), except where otherwise noted with my sincere acknowledgements.
    (CC)2004–2006 by moondial. Some rights reserved.

    Creative Commons banner

For Syndication
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。