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BBC "Letter From America" の Alistair Cooke さん逝く

今朝たまたまBBC(英国放送協会)のウェブサイトを見ていたら、「Radio legend Cooke dies aged 95: Veteran BBC broadcaster Alistair Cooke, best known for his Letter From America show, dies at home」(ラジオ界の至宝 Cooke 氏95歳で逝く)という見出しがトップページに小さめに出ていた。(記事はこちらです)。

情けないことに、Letter From Americaのホストが Cooke というお名前だとは、実はこの記事を読むまで思い出せなかったのだが、この番組名とその独特の雰囲気は、おそらく BBC World Service (WS) を聴いたことがある人の多くにはなじみ深いのではないだろうか。

Letter From America

この番組 Letter From Americaは、毎週1回新しい内容に差し替えられる“週刊”番組だった。今もおそらく変わっていないと思うが、私が聴いていた当時から BBC WS は24時間体制で、国内制作と国際放送向け独自制作の番組とを織り交ぜて構成されている。短波の伝播特性と時差の関係で、ターゲットとなる世界各地域で聴きやすい時間を狙い、多くの番組が1週間の間に2,3回は再放送される。たぶん人気が高かったのだろう、日本で聴いていても、たしか毎正時のニュースに続いて、かなりの頻度でくり返しオンエアされていたように記憶している。ニュースを聴こうとダイアルを合わせると、自然と耳に入ってくることが多かった。

15分間、年輩のホストがたった一人でBGMも音楽のブレイクもなく、淡々と喋る。時事解説とも言い切れず、報道番組ではむろんない。放送随筆というところだろうか。私がよく聴いていたのは、残念ながら現在のようにウェブ上で手軽に番組の背景やホストの人となりについて情報が得られる時代ではなかったので、今朝の訃報を目にして改めて BBC のサイトで追悼関連記事を読むまでは知らなかったことばかりだった。英国アクセントと語りの内容から、ホストは明らかに英国人だということはわかったが、なぜ「アメリカからの手紙」という番組名なのだろう、それにしてもこのおじいさん、政治経済から歴史文学にいたるまで本当にいろんなことをよく知っているなと、聴くたびに思ったのを思い出す。

Alistair Cooke さん略歴

関連記事と追悼番組によれば、Cooke さんは1906年マンチェスター近郊の生まれ。ワーキングクラスの厳格なメソジストの家庭に育つ。映画に魅せられ、ケンブリッジ大学に学んで後に映画評論家を志して BBC に売り込むがあまりうまくゆかず、BBC も含めていくつかの報道機関でジャーナリストとしての仕事を経て1937年渡米、BBC の米国特派員。1941年米国市民権取得、1946年に Letter From America 放送開始。最終回となった最後の番組は今年2004年2月に放送され、健康上の理由から引退を表明していたとのこと。

キャリアのハイライトはいくつかあったようだが、どうやら自身が偶然に3メートルほどの直近の距離から目撃した、1968年6月の Robert Kennedy 暗殺についての放送が最もよく知られているらしい。毎回の放送に際しては、原稿を書き始める前まで何について語るかを決めず、メモの類も一切取らなかったそうだ。追悼番組を聴くと、「trans-Atlantic」という言葉が幾度も強調され、英国・米国の貴重な架け橋という位置づけをされているが、そのあたりはアングロサクソンではない私にはよくわからない。

淡々と語る

私自身の印象に残っているのは、番組でとりあげられた個々の華々しいあるいは生々しい話題ではない。最前ふれたように、学識の深さと目配りの利いた洞察力を感じさせる、滋味溢れる Cooke さんの“トーク”そのものと、それが湛える物静かで落ち着いた雰囲気だった。こういう番組は日本の今の放送メディアにはほとんどないように思う。熱心なリスナーというわけではまったくなかったが、折にふれて貴方の語りに耳を傾けていた一人として、冥福を祈る次第です。

計算機(コンピュータ)は(とくに短波)ラジオにとっては強力な雑音発生器に過ぎず、計算機を常用するようになってからは短波放送を聴く時間がどんどん減っていった。放送自体はおそらくインターネットによる配信に遠からず完全に取って代わられてしまうだろう。フェーディングと雑音の陰から聞こえる人声や音楽にはいわく言いがたい雰囲気があると思うのだが、いつかは聴けなくなるかと思うと、今さらのようにさびしい。

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  • BBC 公式サイト、Letter From America 番組自体のトップページ。同ページ右側上から、「World Service Tribute」の音声アーカイヴ(30分弱)へのリンクあり。この追悼番組は、Cooke さんへの敬意と愛惜を籠めつつ、案外客観的です。

    〔04年4月6日追記〕追悼番組へのリンクが、上記「World Service Tribute」(URLを記録しておかなかったので、当方では残念ながら行方不明になってしまった)から、04年3月30日 BBC Radio 4 放送の60分弱のものへと差し替えられていた。倍の尺なので、関係者や本人の発言がより豊富に織り込まれている。最後の「Good night」の一言が余韻を残す。

  • 同サイト Alistair Cooke さん死亡記事

  • 同じく Highlights of Letter From America では、この番組の数回分を全篇、あるいは一部聴くことができる(ramファイル)。1962年 John Glenn による米国最初の宇宙飛行の話題(大気圏突入直前の緊迫した状況を淡々と述べるところなど印象的です)、Robert Kennedy 暗殺の回(これも、非常に落ち着き払っているところがかえって事の重大さと Cooke さんが受けた衝撃の大きさを感じさせる)など、聴き所が詰まっています。

  • 〔04年4月1日追記〕The Museum of Broadcast Communications の MBC's Encyclopedia of Television, Cooke さんの項(Val E. Limberg さん執筆)には、Cooke さんのラジオ・テレビ・著作の業績が見やすく挙げられている。

    なお、本文でうっかり書き忘れたのだが、Cooke さんが長年にわたり(1947–1972)英国の日刊クオリティ・ペイパー The Gurdian のニューヨーク特派員として新聞ジャーナリズムでも活躍されていた、ということも訃報に接して初めて知った。同紙の公式サイトにも当然死亡記事が出ていた。同新聞社における Cooke さんの後輩だったという Michael White さんの筆で、人となりを伝えるパーソナルなエピソードが紹介されている。

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死後に(も)語りかける寺山修司

ことさら奇を衒った標題をつけようと思ったわけでは無論ない。また昔話になってしまうのだが、実際にこういうことがあった。

寺山修司は1983年5月(こうして改めて書くと『われに五月を』の「五月」だったのか……いや、そういえば亡くなった直後の追悼文の類で、この点にふれたものを多数読んだ気がする)に亡くなっている。たぶんスポンサー契約の関係だろう。寺山の生前からオンエアされていた(と記憶している)寺山出演のCMが、逝去の後もしばらくの間放送されていた。FMでたしか週末の夜のわりと遅い時間に、生前の寺山の声がラジオのスピーカから流れる。

ウェブを検索したところ、このCMは全日本シーエム放送連盟(ACC)から1984年度に受賞(グランプリを、だろうか? ACC公式サイトの「パーマネントコレクション CM作品集(ラジオ)」ページに明記なし)し、1993年に「殿堂入り」しているそうだ。題名「寺山修司(色と音)」とリストされている。

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サイト移転を考慮中です、が……

本稿は、本サイト開設当初の間借り先 http://blog.livedoor.jp/moondial/ で公開した、同ホスティング・サービスに関するものです。

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mp3 ストリーミング:Digitally Imported の Modern Jazz

Digitally Imported Logo

どうやら Soma FM の Drone Zone(アンビエント音楽系)と Groove Salad(Drone Zone よりややビートあり)の最近のセットをほとんど聴き尽くしてしまったようなので、また流しっぱなしにしていても楽しめる mp3 ストリーミング局を探してしばらく彷徨した。

当たりました。ここにバナーを掲げた Digitally Imported の Modern Jazz チャンネルです。

私は知らなかったのですが、この局は元々ほとんどトランス系一筋のストリーミングだったようですね。ウェブを検索すると日本でもその筋ではずいぶん人気が高いらしく、多数の言及がみつかって遅まきながら知った次第。現在のチャンネル構成でもストリームの名前に "Trance" が付いているものが6本、"House" が付されているものが2本など、17本のうち14本がその系統のようです。

ところが、チャンネル・リスト(同局サイトトップページにあり)の下の方にひっそりと(?) Mostly Classical, Modern Jazz, Salsa Stream の3本が出ている。かなり長くなってしまうが、どんな雰囲気の放送かより具体的に知っていただくために、本稿作成時現在(04年3月13日深夜から翌早朝)の直近の Modern Jazz チャンネルの曲目リストをご紹介:

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道玄坂の武満徹

これもまた他愛もない話です。

たしか浪人していた時だったと思う。平日の午後、予備校を適当にきりあげて、渋谷を友人と徘徊していた。道玄坂のヤマハとは反対側の歩道を、当てもなく我々むさくるしい浪人生二人が上っていくと、垢抜けない度合いではさほど自分たちと変わらないような、ヨレヨレのコートを着た小父さんとすれ違った。どこにでもいそうな、ちょっと影が薄い印象の、中年のくたびれた小父さんだ。細くなった感じの、白髪まじりのうすい髪がポサポサと乱れ気味だった。

「…………ん?」
「…………ん?」

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粋な文人学者:奥野信太郎

20041224220442.jpg

芋蔓式読書

(ハイパーテキスト)リンクというと今風なのだろうが、従来の日本語にも「芋蔓式」という言い方がある(あった?)。今はほとんどどんなことについても、ウェブで検索すれば何がしかの記述、画像や音までもがみつかる。ウェブに載せられた情報をいくつかあたれば、なんとなく見当がつく。しかしこうなる以前は、おもしろい本や書き手を探す有力な情報源は、本好きの間での口コミが筆頭だった。そして、口コミと同程度かおそらくそれ以上に「当たり」が多かった(今も多い)のは、気に入った著者の年譜に出てくる著者周辺の人々や、著者が書いたもののなかで言及されている他の人たちの書き物を読んでみることだった気がする。

柴錬から奥野へ

奥野信太郎の随筆に出遭ったのも、この芋蔓式読書のおかげだった。私の場合、奥野へと到った根元はシバレン柴田錬三郎だ。通勤の行き帰りの暇つぶしになればいいか、という軽い気持ちで、古本屋でセット売りしていた新潮文庫『眠狂四郎無頼控』全6巻を買って、読み始めたら止まらなくなり、入手可能な眠狂四郎物をすべて手許に揃えて何度も読み返すところまでいくのにあっという間だった。図書館で柴錬の選集を借り出してきて、彼の慶應義塾・中国文学科の学生時代のことにふれたエッセイなどを読むうち、佐藤春夫とならんで幾度か奥野信太郎の名前が出てくる。

もともと、武田泰淳や竹内好や石川淳など、中国に/中国を学んだ人たちの書いたものには、明晰達意の文章が多いな、という漠然とした好印象を抱いていた。小説もエッセイもおもしろすぎかっこよすぎる柴錬の、師匠筋にあたる人が書いたものなら、これまたすっきりとおもしろいに違いない。勝手にそう見込んで図書館蔵書を探すと、何冊かある。結局、柴錬にハマったのと同様に、しばらくは奥野信太郎熱に浮かされ、借りられる本は全部借り、これはという本で今でも手に入るものは買ってきて、毎晩寝る前に読む数篇の随筆を無上の楽しみにした。

凱南先生略歴

年配の方のなかには、テレビのワイドショーなどでこの人の姿や語り口を目にした方がいらっしゃるかもしれない。比較的最近出た、奥野の母校が編んだ(らしい、編集協力者のお名前は挙げられているが、編者の明記なし)『奥野信太郎中国随筆集』(慶應義塾大学出版会、1998年)の奥付には、このように紹介されている:

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おもに音楽と読書にまつわる雑感を随時綴っています。

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