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モウモウ先生の終身定期預金

辻まこと画パイプスモーカーイラスト

カテゴリ「pipe dream(パイプ・ドリーム)」第2弾。このカテゴリを作った時、念頭においていた。あまりにいい話だ(と私自身は惚れ込んでいる)ので、爾後これを基準に据えるとすれば、生半可なネタではエントリにできない気がして、先日は出し惜しみ(というか尻込み)してしまったのでした。

「あまりにいい話」と言い切れるのは、私ごとき凡人の持ちネタではないからで、以下は早川良一郎『けむりのゆくえ』(原著:文化出版局、1974年)というエッセイ集所収の一篇、「パイプは何本くらい持ったらいいのか……」から。この話自体は、パイプとも喫煙ともあまり関係がないので、愛煙家であるか否かを問わず、必ずや一読「ふむ……ほぅっ」とひと息入れていただけるものと思います。(この出色のエッセイ集と著者の早川良一郎さんについては、別稿を期す)。

預けっぱなし

本稿標題にいう「モウモウ先生」は、著者早川さんの愛煙家仲間のお一人。パイプの火皿から口から鼻から、煙を猛烈に上げるのでついた愛称とのこと。彼は自営の企業オウナー、対する早川さんは宮仕えの身。金廻りが違う。早川さんはこぼす、「私には養わねばならない妻子があるが、世はインフレ、貰うは安月給。この不如意を如何せん」。

モウモウ先生曰く:

「世界中のお金は自分のものだと思ったらいいでしょう。
ただ、定期預金なんですぐ使えない。ほかの人間に使わしてやっているんだ。そう思うだけで、なまじっかお金を持っているより豊かな気分になりますよ。」

「その定期預金、いつ満期になるんでしょう。」

「ならんでしょうな、それでいいんです。人間、自分の死ぬことは考えないで金儲けにアクセクしてるでしょう。アクセクは寿命に影響しますよ。だから、死後の定期預金をあてにしてあがいているようなもんです。それより世界中のお金はおれのものだ。ただ預けてあって使えない。ほかの人に使わせてやってる。そう思ってタバコをすってりゃいいですよ。」

先生は、またモウモウと煙を吐きだしていた。
まさか先生、煙をたべて生きているんではないかと勘ぐりたくもなってくる。

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ヴァレンタイン・デイの贈り物

BBC News (World Edition) の 「Diamond star thrills astronomers」(ダイアモンドの星に天文学者はワクワク)経由で、おそらく元ネタの Harvard-Smithsonian Center for Astrophysics(ハーヴァード・スミソニアン宇宙物理学センタ?)の「Valentine Roses and Diamonds」(ヴァレンタイン・デイの薔薇とダイアモンド)という素敵な記事を見つけました。

新たな2つの発見が、今年2004年の2月14日を、文字通り宇宙的な規模のヴァレンタイン・デイにした。〔上掲「Valentine Roses and Diamonds」の記事冒頭より〕

ひとつは、淡い緑色の花柄の上に薄桃色から赤へと変わる花びらをつけた、開きかけた薔薇のつぼみのような星雲の姿(画像をぜひ)を撮影したという話。もうひとつは、白色矮星の核に結晶化した炭素(つまりは巨大なダイアモンド)の存在が推定されるという論文が公刊されるという話題。

思い立って、本稿のカテゴリは pipe dream(パイプ・ドリーム)とすることにしました。この言葉は、元をただせば阿片中毒者が一服やる間に見る儚い(危ない?)空想/妄想を意味したようですが、カテゴリ名としては、プカリプカリとパイプを燻らせながら思い描くと、楽しくほぅっと心休まるような話題を……というほどのつもりです。

ヴァレンタイン・デイの2日前・1日前にそれぞれ出されたプレス・リリースを組み合わせ、スケールが大きくて洒脱な時節ネタに仕上げたこの研究機関の広報担当者、やるな……。もしかして、パイプ・スモーカーですか?(笑)

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スタリエーノ墓地への“旅”:Joy Division "Closer"

Staglieno Tomb Sculpture

Photograph by Mr Michel Enkiri

この話題は、コアな Joy Division ファンにとっては極め付きの「なにを今さら」なものかもしれない。あらかじめお詫びします。

私にとっての Joy Division は、出遭った最初の時から Closer だった。とりわけそのLPでのB面、"Heart and Soul", "Twenty-four Hours", "The Eternal", "Decades" と、ゆるやかに流れをなす4曲であり、そして真っ白な上質紙製レコードスリーヴの下方5分の3ほどに配されたモノクロームの「画」だった。それは、文字通り救いがなく、同時に不思議な力を聴くたびに与えてくれる音であり、底知れぬ悲歎と絶望の情景だ。

銅版画?

長らく、しかし無根拠に、この「画」はたぶん銅版画か、あるいは銅版画オリジナルをレタッチなどして加工したものではないかと思い込んでいた。光と影の具合があまりに絶妙で、自然を「写した」ものだとはにわかに信じがたい。ずいぶん昔の『ユリイカ』(だったと思うのだが、掲載誌および当該の文章の著者については完全に失念。たしかこのアルバムのリリース後2年くらいのことだったと思うので、1982年か)に、このカヴァ「画」を基にして油彩(?)で作品を描いた画家がいる、という一文を読んだ記憶がある。あくまでこの「画」を本歌取りして油彩画が描かれたという話だったと思うが、そのうろ憶えの油彩の話も、微妙に自分の記憶に影響を与えていたのかもしれない。

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動くシュトックハウゼン:映画 Modulations

Salvageship 「観とけー」経由で、Music Liberation Front 「映画 「モジュレーション」無料配信」(リンクはいずれもそれぞれのサイトの当該記事へ張らせていただいた)で紹介されていたドキュメンタリ・フィルム Modulations(邦題:モジュレーション) を、休日の前夜をいい口実に、昨夜ゆっくりと全篇通して観た。お二方、ご紹介ありがとうございました。

配信元は ZAQ Digital Monthly Movie、2月29日までの期間限定です。(なお、同ページにはフィルムの尺は「75分」と表記してあり、調べるとオリジナルはたしかにこの長さのようだが、配信中のものは1時間弱しかないような……?〔追記:04年2月13日:……と書いていたのですが、掛算できていませんでした。4つのパートに分かれていて、各パートは20分弱ですから全篇配信されていました。あぁ恥ずかしい〕)。要 rm/ram ファイル 再生環境(Real Player/Real One など)・要それなりに広帯域な回線(私のところはADSL8Mですが、実速1Mそこそこしか出ていません。それでも十分楽しめました)。

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ひとつの理想形:Gert Holbek の Polonius

Gert Holbek: Polonius

また濃いネタです。

文字通り身近にあって、物であるのに一緒に過ごした時間の経過を感じさせてくれるような道具には、愛着が湧く。物も使い手とともに歳をとる。学生の頃から使い続けて紙がくたびれ、ページの耳にめくれ癖のついた辞書。丁寧に扱っていても弱い縫製のところからどうしてもほつれてしまい、使えなくなった革製の財布(革に艶がついていて捨てられない)。メッキが剥落して地金が出た最も安いクラスの Zippo ライター。使っては研ぐうちにごくごく僅かずつ刃が小さくなっていく切り出しナイフ、などなど……。

パイプも、使い込んでいくと掌に馴染んで全体にふわりと温かい色合いになる一方で、使い始める前にくらべると木目がよりくっきりとしてくる。

流線形

パイプの本で写真を見てから、実物を一度でいいから見てみたいと長年思っていたパイプがあった。ほぼ完全な一目惚れだった。Holbek(ホルベック)というデンマークのパイプ作家が作り出した Polonius(ポローニアス)というシェイプ(パイプの形/型)がそれだ(掲げた画像は、松山荘二『デンマークのパイプ』(青英舎、1983年)の見事な巻頭カラー口絵(8頁もある!)から拝借した。同書についてはまた別途書きたい)。無駄がなく隙がない。それでいてどこかやわらかい。

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吉岡実と餃子ライス

わたしが水死人であり ひとつの個の くずれてゆく時間の袋であることを 今だれが確証するだろう

吉岡実「挽歌」

以下は単なる与太話だ。

古本屋街で有名な東京・神田神保町に、餃子の店がある。あの辺りはもともと学校も多く、大して金がない学生には(もちろん稼ぎの薄いサラリーマンにも)重宝する安い食い物屋が、ちょっと裏道に入るとすぐに見つかる。職場のかなり年上の先輩に、そのなかでもお薦めという何軒かの店に連れていってもらっては、場所を憶えておく。自分一人の時も、その日の腹具合、懐具合と相談のうえ適当な店で昼飯を済ませ、食後は古本屋をひやかしながらうろうろと歩き廻っていた時期があった。腹もふくれて、ほしかった本を古書で安価に掘り出すことができた昼休みは嬉しかった。

その餃子の店へ先輩と一緒に昼飯を食べに出た何度目かの時に、偶然「ここは吉岡実がよく来ていた店らしい」という話題が出た。あくまでも「らしい」という程度の信憑性だ。ただ、吉岡実が編集者としてバリバリ仕事をしていた頃に、彼の勤務先はたしかそこからさほど遠くないところにあったはずで、ありそうな話だった。

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